COVID19医療翻訳チーム(covid19-jpn.com)

有志医療者による海外論文の翻訳、医療情報

JAMA_台湾におけるCOVID-19への対応 ビッグデータ分析、新技術、積極的な検査

翻訳日:2020/03/11

原文: Response to COVID-19 in TaiwanBig Data Analytics, New Technology, and Proactive Testing

eTable: 日付とカテゴリ別に行われた行動のリスト

■■国境管理、旅行制限、およびケース検索に関するアクション

日付 政策および/または行動
12/31 •     検査官が搭乗し、武漢からの直行便で発熱や肺炎の症状のために乗客を検査
1/5 •  台湾CDC は武漢からの乗客が発熱や URTI を持っている場合に通知した。
1/20 武漢:レベル2の旅行警報中央流行司令部が活性化
1/21 武漢:レベル3の旅行警報国家安全保障会議は、保健福祉省、運輸省、経済省、労働省、教育省、環境保護管理局の取り組みを調整するために招集された
1/22 •  1月後半に到着予定の武漢からの459人の観光客の入国許可は取り消された
1/23 武漢の住民は入国禁止中国からの旅行者は、入る前に健康申告をする必要がある
1/25 中国へのツアーは1月31日まで中断湖北省:レベル3旅行警報中国の残りの部分:レベル2旅行警報
1/26 • 武漢からのツアーグループに対して台湾を離れるように要請
1/27 湖北省からのツアーグループに対して台湾を離れるように要請NHIAとNIAは、患者の過去14日間の旅行履歴をNHIAデータベースに統合
1/28 • 中国(香港とマカオを除く):レベル3の旅行警報
1/29 • 政府発行の携帯電話を介して隔離された個人の電子監視
1/30 中国へのツアーまたは中国でのトランジットは2月29日まで中断NHIA データベースは、中国、香港、マカオからの患者の 14 日間の旅行の履歴をカバーするために拡大した。
1/31 •  中国からの残りのツアーグループに対して台湾を離れるように要請
2/2 • 広東省:レベル2の旅行警報
2/3 •    温州市:レベル2の旅行アラート
2/5 浙江省:レベル2の旅行警報過去28日間に疑わしい乗客を乗せるクルーズ船は禁止された過去14日間に中国、香港、マカオで以前のドッキングを備えたクルーズ船は禁止された
2/6 香港とマカオへのツアーは2月29日まで中断中国国民は禁止されているすべての国際クルーズ船は禁止された1月31日に台湾で降りたダイヤモンドプリンセスクルーズ船の乗客の連絡先
2/7 過去14日間に中国、香港、マカオに渡航した外国人は禁止された外国人は入国審査官に会ってはならず、eゲート(クイックエントリー)を使用することはできないカップルは、14日間の自宅検疫ルールを破ったためにNT$300,000(USD $10,000)の罰金を科された
2/8 1日以内にテストされたスーパースターアクエリアスクルーズ船の128人の乗客全員がコロナウイルスに対して陰性であった
2/10 中国へのツアーまたは中国でのトランジットは4月30日まで中断
  香港またはマカオへのツアーまたは香港での乗り継ぎは3月31日まで中断
  台湾発中国発の旅客便の大半は2月10日から4月29日まで運航停止(北京、上海浦東、上海虹橋、厦門、成都の各空港発着便を除く)
2/11 香港とマカオのほとんどの住民は禁止された
  香港とマカオ:レベル3の旅行警報
  シンガポール:レベル2の旅行警報
  タイ:レベル1の旅行警報
  台湾に入国する旅行者は、正確な健康申告書に記入しなければNT $150,000(5,000米ドル)までの罰金を科す必要があります。
2/12 政府は、自宅分離規制の違反者はNT $300,000(USD $10,000)までの罰金を科されると宣言した。自宅検疫規則違反者は、NT $150,000 (USD 5,000) まで罰金が科せられた
  1月31日以降にインフルエンザ検査で陰性であった重症インフルエンザ患者に対して、COVID-19の再検査を行った
2/13 MSウェスターダムからの台湾国民は台湾に戻り、直ちに隔離された
  クルーズ船MSウェスターダムの外国人は台湾での入国または乗り換えが許可されなかった
2/14 台北市政府は、検疫を受けずにほぼ1週間姿を消した3人の香港の訪問者を追跡した。各罰金NT $70,000(USD $2,350)と医療隔離のために特別に割り当てられた場所に搬送。
  入国検疫システムは、電子的に健康宣言フォームに記入し、より速い入国手続きを可能にするために開始した
2/15 日本:レベル1の旅行警報
  台北市政府は、自宅の検疫を受けるよう指示された後に見つからなかった2人の台湾人女性と1人の不明な国籍の男性の名前を公開した
2/16 NHIA データベースは、中国、香港、マカオ、シンガポール、タイからの旅行者や旅行の 30 日間の旅行履歴をカバーするために拡大した。
  コミュニティベースの監視措置の拡大: 〇 過去14日間に外国旅行歴を持ち、COVID-19の原因が疑われる発熱や  呼吸器症状を示す旅行者と接触した個人 〇発熱または呼吸器症状を有する症例群 〇3日間の抗生物質治療、肺炎症例のクラスター、または肺炎の医療従事者の  3日後に改善のない症状を有する肺炎症例
2/17 発熱や呼吸器症状があり到着した旅行者は、検体を採取した
2/18 台湾に戻るダイヤモンドプリンセスクルーズ船の台湾人乗客は、CECCによって手配されたチャーター便を使用し、隔離されることとなった
  すべての病院・診療所・薬局は、患者の旅行履歴にアクセスできるようになった
2/19 香港またはマカオを通過するツアーは4月30日まで中断となった
2/20 韓国:レベル1の旅行警報
2/22 日本:レベル2の旅行警報
  韓国:レベル2の旅行警報
  • クルーズ船ダイアモンドプリンセスから19人の台湾国民が台湾に戻り、直ちに隔離された
2/23 イタリア:レベル1の旅行警報イラン:レベル1の旅行警報医療従事者は海外旅行を禁止された
2/24 韓国:レベル3の旅行警報医療従事者の旅行禁止は、レベル3の警戒場所(中国、香港、マカオ)に改正された。レベル 1 と 2 の場所へは承認が必要となった中国、香港、マカオへの旅行歴を持つ旅行者は、到着日から14日間自宅検疫の対象となったレベル1と2の旅行警告を受けた国から到着する旅行者は14日間のセルフヘルス管理の対象となった韓国から到着した外国人は、2月25日から14日間の自宅検疫を受けることとなった韓国から到着した台湾国民は2月26日から14日間の自己健康管理の対象となった

■■リソース割り当てに対する行動

日付 政策および/または行動
1/22 政府は小売業者にマスクを割り当て、価格制限をNT $300(USD $10)で50マスクに設定した。保健福祉省は、旅行代理店やツアーガイドを通じて検疫活動と設定通知メカニズムを促進した経済省は、1日あたり130万の現地需要を上回る244万台のローカルマスク製造能力をリストアップした
1/24 台湾CDCまたは8つの指定病院でCOVID-19の試験が行われた2月23日まで使い捨て手術用マスクの輸出禁止 出国する旅行者は最大250個のマスクしか持っていくことができない違反の場合には没収となり、マスクの価値の3倍の罰金
1/30 地元メーカーから400万マスクが毎日発売されたコンビニエンスストア、地元の薬局、医療用品店でのマスクの購入は1~3個のみとされたマスク価格はNT$8で固定された(米ドル0.27ドル)台湾の高等検察庁は、疾病予防製品の価格を引き上げて儲けることを防止する全国的なキャンペーンを開始した。罰金は懲役1-7年、最高500万NTドル(167,000米ドル)の罰金と定めた。1日あたり400万個のサージカルマスクを生産し、140万個が病院や医療従事者に割り当てられ、残り260万人が消費者販売に割り当てられた
1/31 •  政府は1月31日から2月15日にかけてサージカルマスク を申請した
2/1 • マスクの価格は1個につき NT$6 (USD $0.20) へと下げられた
2/2 政府施設(寮または予備の軍事キャンプ) は検疫に使用された。地元のマスク工場で生産ラインに軍の兵士が動員された。60の追加の手術用マスクマシンが設置され、容量の10%が子供用に予約された。各機械は1日あたり100,000の外科マスクを製造できる。通常、60の生産ラインは、アクティブ化に4〜6ヶ月を必要とするが、すべてが1ヶ月で準備された。毎日の出力は1日に1000万個に増加された。
2/3 フェイスマスクの購入に関する新しい名前ベースの配給システムが発表された(2月6日開始):NHIカード保有者は、契約薬局で週に2個マスクを1個NT $5 (USD $0.17)で購入することができる NHIカードが奇数番号の人は、月曜日、水曜日、金曜日に購入可能。   NHIカードが偶数番号の人は、火曜日、木曜日、第1土曜日に購入可   能。日曜日は全ての人に開放された 各人は、彼らのNHIカード一枚につきもう一人分まで購入可能子供のマスクは12歳以下のために取っておかれた毎日勤務中の7,000人のうち3,000人の忠和ポスト(国営機関)労働者は、6,515の薬局と52の保健センターにマスクを配布する仕事を引き継いだ。各場所には200の大人のフェイスマスクと50個の子供用マスクを常備した。 デジタル大臣とエンジニアは、薬局のマスクストックを把握できる、一般の人々向けのアプリを開発した50万個の子供用マスクを無料で私立幼稚園に配布台北で、マスクや消毒剤を販売するクローマシンオペレーターを処罰
2/4 • NHIAは、彼らが観光ビザでない限り、外国人へパスポートを使用してのマスクの購入を認めた
2/11 政府は、機器を購入し、生産ラインを追加するためにNT $200M(666万米ドル)を投資した1,800人以上の陸軍予備軍が28のメーカーに対してマスク生産を支援した
2/13 フェイスマスクの輸出禁止期間は4月30日まで延長外科用マスクの政府要求は4月30日まで延長
2/16 • 303 local district public health centersで マスクを買うことができるようになった
2/17 COVID-19の1日の検査容量はおよそ1,300サンプルとなった売り手は400マスクを1日に割り当てられ、日々のマスク出荷数は500万枚となった。
2/20 • 生産量増加に伴い、子供たちは1週間に4枚のマスクを購入可能になった。
2/22 •  子供のマスクを購入できる上限を13歳に引きあげた。
2/23 •     春学期前に645万個の外科マスクが、25,000個の額温度計と84,000リットルのアルコール系消毒剤と共にK-12学校や放課後施設に配布された。

■■コミュニケーションと政治に関する行動

日付 政策および/または行動
1/22 •     流行に関するフェイクニュースの拡散は、NT $300 万(10万米ドル)まで罰金を科せられうると発表された。
1/31 •     刑事捜査局は、特定の病院や近隣に滞在している患者に関する偽の噂、コロナウイルスの拡散に関する偽の噂、または手術用マスクの高価格に偽の噂を流したとされる6人の容疑者を調査しました。
2/2    • 政府は学校の冬休みを2月15から 2月 25日まで延長した。
2/5 •     コロナウイルスが原因である場合、2月11日から24日の間に公務員は12歳未満の子供の世話をするために14日間の無給休暇を与えられた
2/9 •     日本の台湾国民は、シアン化物がコロナウイルスを追い払うことができるという噂を広めたとして起訴された
2/11 •     刑事捜査局は、フェイスマスクの生産によるトイレットペーパー不足の噂を広め世間をパニックに陥れた容疑者を尋問した。
2/13 流行の影響を受ける企業に600億NTドル(20億米ドル)を割り当てた
2/19 CECCは環境保護局、文部省、地域の環境保護部門と連携し、冬休みに一般公開される学校や学校周辺の公共スペースを消毒した
  教育省は、大学や大学を消毒するためにライセンスを受けた企業の委託を監督した
  文部省は、発熱や呼吸器症状による学生の欠席は学生の出席記録にカウントされないと発表した
  運輸省は、スクールバス、台湾高速鉄道、台湾鉄道、ツアーバス、タクシーの清掃基準を設定した
2/21 診断されたコロナウイルス症例による授業の停止に関する教育省のガイドライン: 1人以上がCOVID-19と診断されたK-9レベルのクラス(生徒または教師)の場合、クラスは14日間中断される学校で2人以上が診断された場合、学校は14日間閉鎖される町、市、または地区の学校の 3 分の 1 が閉鎖された場合、他の学校はすべて閉鎖された。高校、大学、大学で生徒や教師が診断された場合、彼らが通ったり教えたりする授業はすべて14日間の出場停止いずれかのレベルの機関でCOVID-19が2人以上いた場合、それは14日間閉鎖されます
  労働省は、COVID-19の影響で一時休暇となった労働者に資金援助を提供し、補助金で月額18,960NT$18,960(USD 630)まで受け取れるようにした。

<論文本文>

台湾は中国本土から81マイル(130キロメートル)と近接した距離にあり、多数の飛行機が行き来することから、コロナウイルス2019(COVID-19)の症例数が世界で2番目に多い国になると予想されていた。台湾の人口は2300万人であるが、そのうち85万人が中国本土在住であり、40万4千人は中国本土で働いている。2019年には271万人もの人々が中国から台湾に訪れた。2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行以降、台湾は中国で生じる感染症に対して常に警戒し、すぐに行動する準備をしてきた。世界での持続的なCOVID-19の拡大を見ると、このような大規模な感染症において、台湾で早急に行われた対策やその有効性を評価することは他国にも有益であると思われる。

 COVID-19は旧正月の直前に起きたため、何百万人もの中国人と台湾人が休暇のために行き来すると予想された。台湾は公衆衛生のために、症例の特定、封じ込め、資源配分のための特定のアプローチを迅速に動員、実施した。国民健康保険のデータベースを活用し、それを移民や税関のデータベースと統合することで、ビッグ・データでの分析を開始し、旅行履歴や臨床症状、治療などを特定し、リアルタイムでの警戒を可能にした。またQRコードでのスキャン、オンラインでの旅行履歴や健康情報の報告などの新しい技術を用いて過去14日の飛行機の出発地、旅行履歴に基づいて旅行者の感染リスクを特定した。警戒レベル3の地域に行ったことがない低リスクの人々は、迅速な入国審査のために携帯電話にSMS(ショートメッセージサービス)を介して健康宣言ボーダーパスを送られた。一方、最近警戒レベル3以上の地域に行ったことのある高リスクの人々は自宅で検疫され、潜伏期間が終わるまで家の中にいることを確かめるために携帯電話を用いて居場所を追跡された。

さらに台湾では、COVID-19の症例の発見を強化するために国民健康保険(NIH)の情報を参照し、重症な呼吸器症状があったがインフルエンザが陰性であった患者を積極的に探し出し、COVID-19の検査を行い、113例中1例は陽性となった。フリーダイヤル1192番は、市民が自分他人に関わらず、疑わしい症状を報告するためのホットラインとして使用されたが、COVID-19感染症が拡大するにつれて稼働の限界に達したため、各主要都市でそれぞれのホットラインを設けるように求められた。そのホットラインがどれくらい使用されたかは現段階では不明である。政府は検疫された人々に食料を提供、頻回に健康状態をチェック、励ましたりすることで、この病気の影響下での差別や思いやりの問題にも取りかかった。これらの早急な対応は他にもTableに示すようないくつもの項目が含まれていた。

危機の認識

2014年のSARSのアウトブレイクの翌年、台湾政府は国家保険司令部(National Health Comand Center;NHCC)を立ち上げた。NHCCは災害対策センターの一部であり、感染症のアウトブレイクへの対応を主眼とし、国家、地方、各地域の直接的なやりとのための方針指揮を行う。NHCCは中央流行指揮機関(Central Epidemic Command Center)

;CECC)、生物病原体災害指揮センター、バイオテロ対策司令部、中央医療緊急作戦センターを含む組織である。

 2019年12月31日、世界保健機関(WHO)が中国武漢州での原因不明の肺炎を報告したとき、台湾政府は、武漢からの直接渡航便において、飛行機を降りる前に乗客の発熱や呼吸器症状を評価するようにしていた。2020年1月5日には入場の時点で発熱や上気道症状があり、14日以内に武漢に直接渡航したことのある個人に対する注意喚起が広まった。疑わしい症例ではSARSや中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome;MERS)を含む26種類のスクリーニング検査が行われた。発熱や咳などの症状を呈した乗客は帰宅した後も検疫され、医療機関受診が必要かどうか評価された。1月20日に中国から様々な症状が報告されてから、台湾疾病制御センター(the Taiwan Centers for Disease Contral;CDC)は、深刻で特別な肺炎への対策のために、健康と福祉のための指定された指導機関の中心機関として、NHCCのもとに正式にCECCを設置した。CECCは交通省、経済省、労働省、教育省、環境保護局などの省庁による取り組みを調整し、新たな公衆衛生的危機に対抗するための包括的な取り組みを行った。

危機管理

ここ5週間(1月20日~2月24日)にCECCはTableに示すような、航空、船舶を介した出入国管理、新規のデータや技術を用いての症例の特定、疑わしい症例の検疫、症例発見の強化、運営能力を評価して資源を割り当て、誤報と戦いながらの安心づけと教育、他国や地域との交渉、学校・子育ての政策の整備、産業への補償など124もの項目を実行した。

出入国管理、症例の特定、封じ込め

1月27日に国立健康保険局(National Health Insurance Administration;NHIA)と国立入国管理局(National Immigration Agency)は、NHIHの健康保険IDカードのデータをもとに、過去14日の渡航歴を1日でまとめ上げた。また危険地帯への直近の渡航歴がありハイリスクと考えられる個人を、政府が戸籍システムと外国人入国カードから追跡すること許可された。自宅での検疫でハイリスクと考えられた人々は携帯電話を利用してモニタリングされた。1月30日にはNHIAのデータベースには中国全体、香港、マカオからの患者の過去14日の渡航歴も追加された。2月14日には入国検疫システム(Entry Quarantine System)が開始され、旅行者は台湾空港への出発、到着前に、QRコードを読み込むことでオンラインの入力フォームに健康状態を申告できるようになった。低リスクと考えられた人々に対しては簡潔な入国審査が適応されたが、携帯電話での健康状態申告書は地域の電気通信事業者を介してSMSを通じて送信された。このシステムは72時間で構築された。2月18日には政府は全ての病院、クリニック、薬局に、患者の渡航歴にアクセスできるようにすると発表した。

資源の分配:事業とその遂行

CECCは資源の分配にも積極的に役割を果たした。その中にはマスクの価格を設定したり、政府の資金や軍の人員を用いてマスク生産を増加させたりといったことも含まれる。1月20日にCDCは政府が4400万枚の外科用マスク、190万枚のN95マスク、1100の陰圧個室を管理していることを発表した。

コミュニケーションと政策

誤報に対する国民の安心づけと教育

健康福祉大臣からの毎日のメディアの情報に加えて、CECC、副大統領、著名な感染症学者により、定期的に大統領官邸からの公共放送が発信され、インターネットでも見られるようになっていた。その報告にはいつどこでマスクを着用すべきか、手洗いの重要性、およびマスクを最前線の医療従事者が利用できなくなることの危険性と、それをいかに避けるかなどといった報告も含まれていた。またCECCは学校、企業、および労働者の休暇を支援する計画も立案した。(Table参照)

ここまでの台湾の成果(2月24日現在)

中間結果

CECCは公正で明確な方法で国民に結果を報告した。2月17、18日に台湾世論調査財団(the Taiwan Public Opinion Foundation)により、無作為に選ばれた1079人の世論調査が実施された。保健福祉大臣は今回の危機への対応に対して80%以上の支持率を受け、大統領と首相はおよそ70%の支持率だった。2月24日までに台湾では30例ほどのCOVID-19の症例が報告された。これは世界で第10位の症例数であるが、台湾が世界で2番目にウイルスを持ち込まれるリスクがあるという当初の予測モデルからは大きく乖離する結果となった。

課題

第一に、リアルタイムの公共通信は、主に標準中国語と手話だった。台湾CDCのウェブサイト以外では、台湾の住民ではない旅行者や在住者に対する中国語以外での情報伝達手段が不十分だった。第二に、飛行機での出入国に関しては注目され、注意が払われていたが、ダイヤモンドプリンセス号が日本に出発する前の1月31日に台湾に着港し、乗客が新北市近くの基隆市で降りるのを許可してしまった。その後その船には多数の感染者がいたことが発覚した。このことにより、感染が広がってしまうのではないかという一時的なパニックが生まれた。政府はクルーズ船の乗客が訪れたかもしれない場所を50箇所発表し、ツアーグループと接触のあったかもしれない市民に症状観察と、必要に応じて自己検疫を促した。14日経過したが今のところ1名もCOVID-19は確認されていない。第三に、これらの集中的な政策が、流行が収束するまで継続され、国民の好評を得続けるかどうかは定かではない。

結論

台湾政府は2003年のSARSの経験を生かして、次の危機に備えて早期に対応できるような公衆衛生のシステムを備えていた。政府の、極めて綿密に訓練され、十分に経験を積んだチームは、危機を早期に認識し、迫り来る危機に対応する緊急の対応構造を立ち上げた。

危機的な状況において、政府はしばしば不確実性と時間の制約の間で困難な意思決定を強いられる。その意思決定は文化的に適切であり、かつ多くの人々に寄与するものでなければならない。早期の危機認識、国民への日毎の報告、健康管理のための簡潔なメッセージを通して、迫り来る流行を認識した際には、政府は正確でわかりやすい最新の情報を伝えることで国民を安心させることができるようになる。台湾の対策は、いかにして社会が早急に危機に対応し、流行から市民を守るかの好例と言える。

*翻訳はセカンドチェックを行っていない1次翻訳の状態の場合があります。翻訳記事を利用する際は、各施設および個人の臨床医の判断と責任下で行ってください。 下記の「翻訳ポリシー・記事内容の利用について」のページもご参照ください。

参考文献

1. Gardner L. Update January 31: modeling the spreading risk of 2019-nCoV. Johns Hopkins University Center for Systems Science and Engineering. Published 2020. Accessed February 20, 2020. https://systems.jhu.edu/research/publichealth/

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2. Pan T, Yeh J. Number of Taiwanese working in China hits 10-year low. Focus Taiwan. Published December 17, 2019. Accessed February 21, 2020.

https://focustaiwan.tw/business/201912170022

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4. Wang S, Lin K. Foreign visitors to Taiwan up 7% in 2019. Focus Taiwan. Published January 6, 2020. Accessed February 20, 2020. https://focustaiwan.tw/society/202001060014.

5. NHCC [National Health Command Center]. Taiwan Centers for Disease Control. Updated February 1, 2018. Accessed February 22, 2020.

https://www.cdc.gov.tw/En/

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テーマの著者 Anders Norén