COVID19医療翻訳チーム(covid19-jpn.com)

有志医療者によるWHO,CDC等海外論文の翻訳、その他医療情報

CDC_COVID-19が疑われるもしくは確定した医療従事者の復職基準(4/30版)

翻訳日:2020/05/07

原文:Criteria for Return to Work for Healthcare Personnel with Suspected or Confirmed COVID-19 (Interim Guidance)

【2020年4月30日での変更点】

(1)症状のある人に対して、「検査に基づかない戦略」の名称を「症状に基づく戦略」に変更し、症状がない人は「時間に基づく戦略」に変更した。
・離職期間を最初に症状が現れてから少なくとも10日間へ延長した。
・この更新は、培養可能なウイルスの排出期間がより長いというエビデンスに基づいて行われたものであり、追加のエビデンスが利用可能になった時点で改訂される予定である。
 
(2)”症状に基づく戦略”と”時間に基づく戦略”に基づいて、”検査に基づく戦略”が好ましいという文言が削除となった。
 
(3)検査に基づく戦略に鼻咽頭スワブ採取を使用することを明記していた文言を削除し、最新の検体採取戦略が推奨されるように、
「Interim Guidelines for Collecting, Handling, and Testing Clinical Specimens for 2019 Novel Coronavirus (2019-nCoV)」にリンクした。
 
【COVID-19のためのCDCガイダンスは、急速に変化する地域の状況に対応するために、州や地域の保健部門によって適応される可能性がある】

【対象者】
・COVID-19が確定した医療従事者(HCP)、またはCOVID-19疑い(例:呼吸器感染症の症状(咳、喉の痛み、息切れ、発熱など)を発症したが、COVID-19の検査を受けていない)の医療従事者の職場復帰について決定を下す産業保健プログラムおよび公衆衛生担当者。

・COVID-19が確定した、または疑われるHCPの職場復帰についての決定は、地域の状況に応じて行われるべきである。
・選択肢としては、症状に基づく(すなわち、発症からの時間と回復までの時間)または時間ベースの戦略、または検査ベースの戦略がある。
・注目すべきことに、ウイルス培養との直接的な相関がなく、RNAの検出が長期化したという報告がある。

【COVID-19が疑われる・確定したHCPの復職基準】
COVID-19が疑われる、または確認した症候性HCP

(地域の状況に応じてどちらの戦略でも可能)

① 症状に基づく戦略: 以下の基準を満たすまで出勤しない
1. 病状軽快から少なくとも3日(72時間)が経過している。
病状軽快とは,解熱薬を使用せずに解熱している,かつ,

呼吸器症状(咳、息切れなど)が改善していること。
 
かつ
 
2. 最初に症状が出現してから10日以上経過している。

② 検査に基づく戦略: 以下の基準を満たすまで出勤しない
1. 解熱剤を使用せずに解熱
 
かつ

2. 咳、息切れなどの呼吸器症状がの改善
かつ
 
3. 24時間以上間隔をあけて採取した呼吸器検体のCOVID-19の検査(FDA緊急使用承認イムノアッセイ法)の結果が連続して2回陰性(合計2つの陰性検体)。

検体採取法については以下を参照。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/lab/guidelines-clinical-specimens.html

特筆すべきは、ウイルス培養との直接的な相関がなくRNAの検出が長期化したという報告があることである。

【COVID-19が確定しているHCPで、症状がない人(地域の状況に応じてどちらの戦略でも可)】

① 時間に基づく戦略: 以下の基準を満たすまで出勤しない
・最初のCOVID-19診断検査が陽性であった日から10日が経過しており、陽性検査後に症状が出ていないと仮定する。
・症状が発現した場合は、症状に基づくまたは検査に基づく戦略を用いるべきである。
 
注意:症状は、これらの患者が経過の中でどのような状態にあるかを測定するためには使用できないため、ウイルスの排泄期間は、最初の陽性検査後10日よりも長くなったり短くなったりする可能性がある。
 
② 検査に基づく戦略: 以下の基準を満たすまで出勤しない
・24時間以上間隔をあけて採取した呼吸器検体のCOVID-19の検査(FDA緊急使用承認イムノアッセイ法)の結果が連続して2回陰性(合計2つの陰性検体)。
・症状がないため、これらの患者がどのような経過をたどって発症するかを判断できない。
・ウイルス培養との直接的な相関関係なしに、RNAの検出が長期化したという報告がある。
 
・PCRでウイルスRNAを検出したからといって、必ずしも感染性があるとは限らないことに注意。

・10日以上感染状態が続く可能性のある人(例:重症の免疫不全者)の職場復帰を決定する際には、感染症専門家に相談することを検討。
・HCPがCOVID-19を除外し、別の診断(例:インフルエンザ陽性)を受けた場合、復職基準はその診断に基づくべきである。
 
 
職場復帰後に実施するべきことと制限するべきこと
職場復帰後、HCPは以下のことを行うべきである。

・すべての症状が完全に消失するまで、またはベースラインに戻るまで、医療施設にいる間は、常時感染制御のためのフェイスマスクを着用する。
・これらのHCPは、施設内にいる間、布製のフェイスカバーの代わりにフェイスマスクを使用してソースコントロールを行うべきである。
・この期間が過ぎてからは、パンデミック中の標準感染予防策(universal source control)に関しての施設のポリシーにしたがって下さい。
 ・COVID-19が疑われるまたは診断確定された患者をケアする時を含めて、N95マスクまたはそれ以上のレベル(その他の推奨PPE)の着用を指示された場合は、それに従う。
 ・N95またはその他の排気バルブ付きのマスクでも、ソースコントロールができない場合があることに注意する。
・自身で症状を観察し、呼吸器症状が再発または悪化した場合は、産業保険担当者から再度評価を受ける。

■医療従事者の人員不足を軽減するための戦略

・医療施設では,医療従事者(HCP)の安全な作業環境と患者の安全なケアを提供するには、適切な人員配置を維持することが不可欠である。
・COVID-19のパンデミックが進むにつれて、医療従事者の(COVID19患者への)曝露、病気、または自宅での家族ケアが必要なため、人員不足が発生する可能性がある。
・ 医療施設は、潜在的な人員不足に備え、それらを軽減するための計画とプロセスを準備する必要がある。
・上記のすべての復帰基準を満たさずにHCPの復帰を許可することの考慮も含む。
・詳細については、下記文書を参照。
 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/mitigating-staff-shortages.html
・この一環として、COVID-19への曝露がある無症候性のHCPは、曝露後14日間、ソースコントロール用のフェイスマスクを着用していれば、人手不足に対処するための危機的能力戦略で働くことが許可される可能性がある。
・この期間は、COVID-19の現在の潜伏期間である14日間に基づいている。

脚注:
・すべての検査結果は、個室隔離が終了する前には、完了していなければならない。
・検査のガイダンスは限られた情報に基づいており、より多くの情報が利用可能になると、変更される可能性がある。
・湿性咳嗽が持続する人では、上気道(鼻咽頭スワブ)検体よりも喀痰検体でSARS-CoV-2-RNAが長期間検出される可能性がある。

定義:
・布製のフェイスカバー(Cloth face covering):
・話しているとき、くしゃみをするとき、または咳をするときに呼吸器系の分泌物が拡散しないように着用しつづけるよう考えられた布(Textile)カバー。
・それらはPPEではなく、布の表面の覆いが着用者を保護するかどうかは確かではない。
・布製のフェイスカバーの設計、使用法、およびメンテナンスに関するガイダンスが利用可能。

・フェイスマスク:
・フェイスマスクはPPEであり、多くの場合、サージカルマスクまたはプロシージャマスクと呼ばれる。
・フェイスマスクは,製品のラベル,地域、州、および連邦の要件に従って使用する。
・FDA認可のサージカルマスクは、飛沫やスプレーから保護するように設計されており、外科的処置を含め、そのような曝露が予想される場合に使用が優先される。
・隔離の目的で通常使用されている一部のマスクなど、FDAによって認可されていないフェイスマスクは、飛沫やスプレーに対する保護しない場合がある。

・Respirator:
・respiratorは、顔面に装着し、少なくとも鼻と口を覆う個人用保護具であり、着用者が危険な空中浮遊粒子(粉塵粒子と感染物質を含む)、ガス、または蒸気を吸入するリスクを軽減するために使用される。
・respiratorは、医療での使用を目的としたものを含め、CDC / NIOSHによって認定されている。

*翻訳はCDCによるものではありません。(CDCのポリシーにもとづく掲示)
*翻訳文は当チームが翻訳を行った時点のCDCサイト掲載内容にもとづくもので暫定的な情報です。各記事に原文へのリンクを掲載しています。原文記載の発表日および当サイトでの翻訳日を各記事に記載していますので参照してください。
*セカンドチェックを行っていない1次翻訳の状態の場合があります。翻訳記事を利用する際は、各施設および個人の臨床医の判断と責任下で行ってください。 下記の「翻訳ポリシー・記事内容の利用について」のページもご参照ください。

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テーマの著者 Anders Norén