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CDC_COVID-19と診断された、または疑われる医療従事者の復職基準_アップデート

翻訳日: 2020/04/23

原文:Return to Work for Healthcare Personnel with Confirmed or Suspected COVID-19

2020年4月13日 最新の改訂の要旨

・医療従事者が職場に復帰する時期を決定するための検査に基づいた戦略を推奨する。

・検査でCOVID19が陽性でも,症状がない医療従事者が職場に復帰する基準を追加した。

*COVID-19についてのCDCガイダンスは、急速に変化する地域の状況に合わせて、州および地域の保健部門によって適応して下さい。

対象者:COVID-19と診断された、またはCOVID-19が疑われる(例、呼吸器感染症の症状がある:咳 、咽頭痛、呼吸苦、発熱)医療従事者(HCP)の復職について,意思決定を行う産業保健プログラムおよび公衆衛生担当者

COVID-19の確定された,あるいは疑われる医療従事者の復職に関する決定は、地域の状況に応じて行う必要があります。テストベースの戦略または非テストベースの戦略(つまり、発症からの経過時間および回復からの経過時間で決定)がオプションに含まれます。

COVID-19と診断、または疑われる医療従事者の復職基準

医療従事者が職場に復帰する時期の決定方法として,検査に基づく戦略を使用することが望ましい。

①検査に基づく戦略 

  • 下記を満たすまで出勤しない。

1.解熱剤を使用せずに解熱

かつ

2.咳、息切れなどの呼吸器症状がの改善

かつ

3.24時間以上間隔をあけて採取した鼻咽頭スワブ標本のCOVID-19の検査(FDA緊急使用承認イムノアッセイ法)の結果が連続して2回陰性(合計2つの陰性検体)。

検体採取法については以下を参照してください。

Interim Guidelines for Collecting, Handling, and Testing Clinical Specimens for 2019 Novel Coronavirus (2019-nCoV).

②検査に基づかない戦略 

検査に基づかない戦略ができない場合、非テストベースの戦略を使用して,医療従事者が仕事に復帰する時期を決定してもよい。

以下の基準を満たすまで出勤しない

1.病状軽快から少なくとも3日(72時間)が経過している。

 病状軽快とは,解熱薬を使用せずに解熱している,かつ,呼吸器症状(咳、息切れなど)が改善していること。

かつ

2.最初に症状が出現してから7日以上経過している。

症状はないが,検査でCOVID-19が陽性であった医療従事者は、最初のCOVID-19検査陽性の日付から,その後に症状が出ていないと想定して、10日が経過するまでは,仕事から離れる必要があります。

医療従事者がCOVID-19を除外され、別の診断となった場合(たとえば、インフルエンザの検査が陽性)、復帰への基準はその診断に基づいて下さい。

職場復帰後に実施するべきことと制限するべきこと

職場復帰後、医療従事者は以下のことを行う必要があります。

・すべての症状が完全に消失するまで、または発症から14日目まで,のいずれか長い方の期間は、医療施設にいる間は常に感染源管理用のフェイスマスクを着用してください。またこの期間は,感染源管理のために,施設内にいる間は常に、布製のフェイスカバーではなくフェイスマスクを使用する必要があります。この期間が過ぎてからは、パンデミック中の標準感染予防策(universal source control)に関しての施設のポリシーにしたがって下さい。

◦COVID-19が疑われるまたは診断確定された患者をケアする時を含めて、N95マスクまたはそれ以上のレベル(その他の推奨PPE)の着用を指示された場合は、それに従う。

 ◦ N95またはその他の排気バルブ付きのマスクでも、発生源を制御できない場合があることにご注意ください。

・症状出現から14日間は,重症の免疫不全患者(例、移植、血液腫瘍)との接触を制限する。

・自身で症状を観察し、呼吸器症状が再発または悪化した場合は、産業保険担当者から再度評価を受ける。

医療従事者の人員不足を軽減するための戦略

医療施設では,医療従事者(HCP)の安全な作業環境と患者の安全なケアを提供するには、適切な人員配置を維持することが不可欠です。COVID-19のパンデミックが進むにつれて、医療従事者の(COVID19患者への)曝露、病気、または自宅での家族ケアが必要なため、人員不足が発生する可能性があります。 医療施設は、潜在的な人員不足に備え、それらを軽減するための計画とプロセスを準備する必要があります。上記のすべての復帰基準を満たさずにHCPの復帰を許可することの考慮も含みます。詳細については、下記文書を参照してください。

Strategies to Mitigate Healthcare Personnel Staffing Shortages

脚注

すべてのテスト結果は,個室隔離が終了する前には、完了していなければなりません。検査のガイダンスは限られた情報に基づいており、より多くの情報が利用可能になると、変更される可能性があります。湿性咳嗽が持続する人では、上気道(鼻咽頭スワブ)検体よりも喀痰検体でSARS-CoV-2-RNAが長期間検出される可能性があります。

定義

布製のフェイスカバー:話しているとき、くしゃみをするとき、または咳をするときに呼吸器系の分泌物が拡散しないように着用しつづけるよう考えられた布(Textile)カバー。 それらはPPEではなく、布の表面の覆いが着用者を保護するかどうかは確かではありません。 布製のフェイスカバーの設計、使用法、およびメンテナンスに関するガイダンスが利用可能です。

フェイスマスク:フェイスマスクはPPEであり、多くの場合、サージカルマスクまたはプロシージャマスクと呼ばれます。フェイスマスクは,製品のラベル,地域、州、および連邦の要件に従って使用します。FDA認可のサージカルマスクは、飛沫やスプレーから保護するように設計されており、外科的処置を含め、そのような曝露が予想される場合に使用が優先されます。隔離の目的で通常使用されている一部のマスクなど、FDAによって認可されていないフェイスマスクは、飛沫やスプレーに対する保護しない場合があります。

人工呼吸器:人工呼吸器は、顔面に装着し、少なくとも鼻と口を覆う個人用保護具であり、着用者が危険な空中浮遊粒子(粉塵粒子と感染物質を含む)、ガス、または蒸気を吸入するリスクを軽減するために使用されるものです。人工呼吸器は、医療での使用を目的としたものを含め、CDC / NIOSHによって認定されます。

*翻訳はCDCによるものではありません。(CDCのポリシーにもとづく掲示)
*翻訳は現時点での暫定的な情報を元に作成されています。本記事の利用については、各施設および個人の臨床医の判断と責任下で利用してください。

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