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WHO_自宅療養の注意点

原文:軽症の新型コロナウイルス感染症疑い患者の在宅ケアと接触者の管理  2020年2月4日版

訳注1:新型コロナウイルスは現在のSARS-CoV-2を指す

訳注2:新型コロナウイルス感染症は現在のCOVID-19を指す

【はじめに】

・WHOは、軽症の新型コロナウイルス(nCoV)感染症が疑われる患者に対する安全な在宅ケアと無症候性接触者の管理における公衆衛生対策の勧告のため、このガイダンスを発表した。

・このガイダンスは、2018年6月に公表されたMERS-CoVを扱った中間ガイダンス[1]を適合したもので、WHOが公表したエビデンスに基づくガイドライン[2]と、2019nCoV感染に関して入手可能な最新情報に基づく。

・このガイダンスは、軽度の症状を示すnCoV感染症が疑われる患者の在宅ケアおよび無症候性の接触者の管理に取り組む際に、公衆衛生(public health)と感染予防・管理(infection prevention and control, IPC)の専門家、医療管理者(health care managers)、医療従事者(health care workers, HCWs)を指導することを意図している。

・このガイダンスは、2019nCoVに関する入手可能なエビデンスと、家庭での感染予防と管理の実施可能性に基づく。

・この文書の目的上、介護者(caregivers)は、正式な医療訓練を受けていない両親、配偶者、その他の家族または友人を指す。

【軽症のnCov感染症が疑われる患者の在宅ケア (Home care for patients with suspected 2019-nCoV infection presenting with mild symptoms)】

・WHOは重症急性呼吸器感染症(severe acute respiratory infection, SARI)を呈する2019nCoVが疑われる全患者を、医療ケアシステムのファーストポイントでトリアージし、疾患の重症度に基づいて緊急治療を開始することを推奨している。

・軽症患者は、急速に悪化する恐れがない限り、入院の必要はない[3]。

・このようなケースでは、在宅ケアを考慮できる。

・在宅ケアを考慮する他の理由としては、入院を必要としなくなった患者、入院治療が利用できないか安全でない患者(すなわち、医療サービスの需要を満たすことができない限られた資源とキャパシティ)、入院を拒否した場合などがある。

・こういった理由のいずれかがある場合、軽度の症状で、基礎に慢性疾患がない患者(肺疾患、心疾患、腎不全、または合併症を発症するリスクを高める免疫不全)であれば、在宅でケア可能である。

・この決定には慎重な臨床的判断が必要で、患者の家庭環境の安全性を評価した上で考慮すべき。

・在宅ケアを行う場合は、トレーニングを受けた医療従事者が評価を行い、家庭環境が在宅ケアに適しているかどうか検証されるべき;

患者と家族にアルコールベースの速乾性擦式手指消毒剤の使用を推奨する前に、在宅ケアにおける隔離(home care isolation)の一部として推奨される予防策(手指衛生、呼吸器衛生、環境清掃、移動制限など)や安全上の懸念(例えば誤飲や火災の危険性など)に対して患者・家族が許容できるか。

・症状が完全に消失するまでの在宅ケア期間中は、医療提供者(health care provider)/公衆衛生担当者(public health personnel )との連絡網を確立すべき。

・在宅の隔離予防期間を定義するために、2019nCov感染症と伝播様式に関するより包括的な情報が必要である。

・患者および家族は、感染が疑われる家族をできる限り安全にケアする方法、家庭内接触者への感染拡大を予防する方法といった個人衛生と基本的な感染予防と管理について教育を受けるべき。

・患者と家族には、継続的な支援、教育、モニタリングが提供されるべき。

・患者と家族は以下の推奨事項を遵守する必要がある。

 ・患者をよく換気された個室に入れる(すなわち、開放された窓とドア);

 ・患者の移動を制限し、共有スペースを最小限にする。共有スペース(例:キッチン、バスルームなど)が十分に換気されていることを確認する(例:窓を開いたままにする);

 ・家族は別室にすべきで、それが無理であれば、患者から少なくとも1mの距離を保つべき(例:別のベッドで寝る)[2];

 ・介護者の数を制限する。理想的には、慢性疾患や免疫不全のない健康な人を1人割り当

てる。患者が完全に回復するまで、訪問を許可しない;

 ・患者または患者周囲の環境への接触後に手指衛生を実施する[4]。手指衛生は、食事の準備

の前後、食事前、トイレの後、手が汚れているように見えるときにも行うべき。肉眼で汚れがなければ、アルコールベースの速乾性擦式手指消毒剤を使うことができる。明らかに汚れていれば、石鹸と水を使って手指衛生を行う;

 ・石鹸と水で手を洗う場合、手を拭くための使い捨てペーパータオルの使用が望ましい。ペーパータオルがない場合は、清潔な布タオルを使用し、濡れた場合は交換する;

 ・飛沫を封じ込めるために、患者に医療用マスクを提供し、可能な限り着用すべき。医療用マスクに耐えられない人は、咳やくしゃみをするときに使い捨ての紙で口や鼻を覆うなど、呼吸衛生を厳格に適用すべき。使用後は、口や鼻を覆う物を廃棄するか、適切に洗浄する(例:石鹸または洗剤と水を使ってハンカチを洗う);

 ・介護者は、患者と同じ部屋にいるときは、口と鼻を覆うぴったりと合った医療用マスクを着用すべき。マスクは使用中に触らない。マスクが濡れたり、分泌物で汚れたりした場合は、すぐに新しい清潔な乾いたマスクと交換する必要がある。適切な方法(すなわち、前面には触れず、後ろから紐を取る)でマスクを外す。使用後はすぐにマスクを捨て、手指衛生を行う;

 ・特に口腔や呼吸器分泌物、便といった体液への直接接触を避ける;

 ・口腔ケアまたは呼吸ケア、便や尿および排泄物を扱う場合には、使い捨て手袋とマスクを使用する。手袋とマスクを外す前後に手指衛生を行う;

・マスクや手袋を再使用しない;

 ・患者のために専用のリネンと食器を使用する; これらの使用後は石鹸と水で洗浄されるべき;

 ・ベッドサイドテーブル、ベッドフレーム、その他の寝室の家具など、患者のケアエリア全体で頻繁に触れる表面を毎日清潔にし、消毒する。最初に家庭用石鹸または洗剤を使用し、次にすすぎの後、0.5%次亜塩素酸ナトリウム(5,000ppm)を含有する通常の家庭用消毒剤を使用する;

 ・少なくとも1日1回、浴室とトイレの表面を清掃・消毒する;

 ・最初に家庭用石鹸または洗剤を使用し、すすぎの後、0.5%次亜塩素酸ナトリウムを含む通常の家庭用消毒剤を使用する;

 ・患者の衣服、寝具、バスタオル、ハンドタオルなどは、洗濯用石鹸と水または一般的な家庭用洗剤で60~90°Cで洗濯機で洗い、十分に乾燥させる。汚れたリネン類を洗濯袋に入れる。  汚れた洗濯物をゆすったり、汚れたものが皮膚や衣服に直接触れないようにする;

 ・手袋および保護衣(例:プラスチックエプロン)は、体液で汚れた表面、衣服またはリネンを洗浄または取り扱う際に使用すべき。状況に応じて、軍手または使い捨て手袋のいずれかを使用することができる。軍手は石鹸と水で洗浄し、使用後は0.5%の次亜塩素酸ナトリウムで消毒すべきである。使い捨ての手袋(ニトリルまたはラテックス)は、毎回使用後に廃棄すべき。手袋の着脱前後に手指衛生を行う;

 ・患者宅でケアに使用した手袋、マスク、その他の廃棄物は、感染性廃棄物として廃棄する前に、患者の部屋の蓋付きのゴミ箱に入れられるべき;

 ・患者に近い環境の汚染物への曝露を避ける(例:歯ブラシ、タバコ、食器、食器、飲み物、タオル、手ぬぐい、ベッドリネンの共有禁止);

 ・医療従事者が在宅ケアを提供する際に、適切な個人用保護具(PPE)を選択するためのリスク評価を行い、飛沫および接触予防策に従うべき;

【接触者の管理 (Management of contacts)】

・2019nCoV感染が疑われる患者に暴露された人(介護者や医療従事者を含む)は接触者とみなされ、最終接触日から14日間、健康状態を監視するようアドバイスされるべき。

・接触者は、次のいずれかに該当する人を指す。

・nCoV患者へ直接ケアを提供、nCoVに感染した医療従事者と仕事、患者訪問またはnCoV患者と密接な環境での滞在を含む医療関連曝露;

・2019nCoV患者との環境で、近くで一緒に仕事をしたり、同じ教室を共有;

・乗り物の種類を問わずに2019nCoV患者と一緒に旅行;

・発症後14日間以内にnCoV患者と同居[5];

・観察期間中は、医療提供者と連絡網を確立すべき。

・医療従事者は、接触者の現在の健康状態を電話で確認すべきで、理想的には、定期的(例;毎日)に直接訪問し、必要に応じて特定の診断検査を行うべき。

・医療提供者は、接触者が発症した場合にいつ・どこでケアを求めるべきか、どのような交通手段が最も適切であるべきか、いつ・どこで指定された医療施設に入るべきか、どのような感染予防策に従うべきかについて、事前に指示を与えるべき。

・受入医療機関に有症状の接触者が来ることを通知;

・医療機関を受診する移動中は、医療用マスクを着用すべき;

・可能であれば、医療施設を受診する際の公共交通機関に使用を避ける;

  救急車を呼ぶか、自家用車を使用するか、可能であれば車の窓を開ける;

・症候性の接触者は常に呼吸衛生と手指衛生を行うようにアドバイスされるべき;移動中や医療施設にいるときは、できるだけ他の人から離れる(1m以上);

・移動中に気道分泌物や他の体液で汚れた表面は、石鹸または洗剤で洗浄し、0.5%の希釈漂白剤を含む通常の家庭用品で消毒すべきである

*翻訳は現時点での暫定的な情報を元に作成されています。また セカンドチェックを行っていない 1次翻訳の状態です。本記事の利用については、各施設および個人の臨床医の判断と責任下で利用してください。

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テーマの著者 Anders Norén